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2008年7月 関東本部・つくばエクスプレス(TX)
非協力乗車会とTXの対応について



4.警察への問い合わせ

6月27日の非協力乗車に来た鉄道警察隊は、任意性を認めた国土交通省の見解を全く理解しておらず、
ただ私たちを強制排除することしか眼中にありませんでした。
国土交通省が出した見解を鉄道会社・警察(本社・現場等も含めて全員)が理解していないと、
当然ながら乗客に正しいことが周知されません。

だから「女性専用車両に男性は乗ってはいけない」という誤った解釈をして、
男性客を強制排除する行為に出るのです。

以下は、当会顧問・兼松信之氏からの報告です。


警察の考えを知るため、国家公安委員会と警察庁のホームページの意見欄に書き込みました
(意見によっては回答あり、とのこと)。

しかし、それでは飽き足らず、警察庁に電話しました。

応対したのは、感じの悪い女性でした。
こちらが「女性専用車」に反対する男だからでしょうか?

その女性が言うには、「警察庁は関知しない。警視庁(や各道府県警察)がしていること」だそうです。

で、「警視庁(や各道府県警察)が勝手にやっているわけですか?」と言うと、
「勝手ではない。条例に基づいて、権限に基づいて、やっている」とのこと。

で、「条例をつくるのは、都(や道府県)ですよね?」と言うと、
「その条例に基づいて警視庁(や各道府県警察)やっている」とのこと。

しかし、これは本当なら、統一性がない話ですね。

で、「(警視庁や道府県警察の下部組織の)鉄道警察隊は、条例ではなく、
法律(鉄道営業法)を根拠にしていますけど」と言うと、
「とにかく、こちらは関係ない。警視庁にお聞きなさい」ですと。

内閣府→国家公安委員会(内閣府外局)→警察庁→警視庁(または各道府県警察)→鉄道警察隊

という流れはあるはずですが、まあ、そう言うならと、警視庁に電話を入れました。

今度は、男性です。
で、いろいろ話をしました。

法律の解釈(下記の【参考1】を参照)、国交省の見解(下記の【参考2】を参照)、一般の鉄道会社の対応などをお話しました。

で、警察が「鉄道営業法34条2項は有効」とするのなら(私は憲法違反だと思うが)それも一つの見解、
はっきりそう明言していただきたい。

しかし、私は、「35条(演説や示威行為などの禁止)は適用されても、34条2項は現行憲法下では有効ではなく、適用すべきではない」と思うし、国交省や鉄道会社も、そう思うからこそ、「男性も乗れます」と言っている、と言いました。

で、何しろ、「国交省がいいと言うから乗って、駄目だ、と言われるのは、利用者として一番困る」
と申し上げました。

だから、国交省や鉄道会社とすり合わせをしていただきたい、と言うと、
「法律にお詳しいですね。大変勉強になりました。国交省や鉄道会社に聞いてみます」とのことでした。

で、「必ず、結果を知らせてくれ、とは言いませんが、連絡いただけるといいですね」と言って、
団体名、氏名、連絡先を言って、相手の名前をお聞きしました。

大変有意義なやり取りでした。

以上です。

【参考1】鉄道営業法の有効性について

鉄道営業法の34条2項、

第三十四条

制止を肯セスシテ左ノ所為ヲ為シタル者は八十円以下ノ科料ニ処ス
一 停車場其ノ他鉄道地内吸煙禁止ノ場所及吸煙禁止ノ車内ニ於テ吸煙シタルトキ
二 婦人ノ為ニ設ケタル待合室及車室等ニ男子妄ニ立入リタルトキ

を根拠に、女性専用車から男性を排除できるのか、を検証してみよう。

まず、結論から言うと、「鉄道営業法の34条2項を根拠に、女性専用車から男性を排除できない」と思われる。
その理由は、現行憲法に反するからである。
現行憲法の下では、運賃さえ支払えば、「誰でも、どの車両に、自由に乗れる」ことが保障されている。

であるならば、なぜ、現行憲法に反する条項が鉄道営業法に存在するのか? 
それは、鉄道営業法が、現行憲法ができるずっと以前、明治33年に制定された法律だからである。
ご承知の通り、憲法98条1項には、

第九十八条

1 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない

とあり、「憲法に反する法律(の一部)は、効力を有しない」のであって、鉄道営業法34条2項はこれにあたる、と思われる。


それでは、鉄道営業法34条2項は、現行憲法のどの条項に反するのか? 
それは、「基本的人権」と「自由権」を保障する11条及び13条、そして、「性別による差別」を禁止する14条1項に反する、と思われる。

第十一条

国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。


第十三条

すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。


第十四条

1 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

もし、女性専用車に男性が単に乗車していたにもかかわらず、駅員や警察官(その他、女性客等誰でも)が、
その男性を無理矢理降車させようとすれば、刑法223条「強要罪」にあたる可能性が高い。

第二百二十三条

生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。

ただし、現行憲法の12条、

第十二条

この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

にあるように、「自由権の濫用」は許されない。

 よって、「女性専用車に男性が単に乗車することは何ら問題はない」が、電車内で演説や示威行為をすることは許されない。
もし、そのような行為をすれば、鉄道営業法35条、

第三十五条

鉄道係員ノ許諾ヲ受ケスシテ車内、停車場其ノ他鉄道地内ニ於テ旅客又ハ公衆ニ対シ寄附ヲ請ヒ、物品ノ購買ヲ求メ、物品ヲ配付シ其ノ他演説勧誘等ノ所為ヲ為シタル者ハ科料ニ処ス

を根拠に、駅員や警察官に降車を命じられても文句は言えない。

 要するに、現行憲法下においては、鉄道営業法35条は有効であるが、同34条2項は有効とは言えないのである。
すなわち、電車(女性専用車)内で演説をしたり、これ見よがしに印刷物を掲示したりすれば、
その行為を理由に降車させられても文句は言えないが、男性でも女性専用車に単に乗車している分には何ら問題はない。
逆に、降車を促せば、それが法律違反(強要罪)に問われかねない、ということである。
なお、国交省や各鉄道会社も、そう考えているからこそ、問い合わせると、「女性専用車には男性も乗れます」と
(いう趣旨のことを)答えるのである。



【参考2】国土交通省の見解

※下記は当会会員が国土交通省に女性専用車両の任意性について問い合わせした時の回答です。(原文のまま)

国土交通ホットラインステーションと申します。

お問い合わせ頂いた案件につきまして、鉄道局 業務課より以下の回答が来ましたので、送付いたします。
回答が大変遅くなり、申し訳ございません。

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国土交通ホットラインステーション
東京都千代田区霞が関2-1-3
連絡担当 西川
TEL 03-5253-8111(代表)
    03-5253-4150(直通)
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以下のとおり回答します。

現在各鉄道会社で導入されている女性専用車両については、あくまでも利用者のご理解と任意のご協力のもとに行われているものであり、法的な根拠はありません。

女性専用車両はあくまでも男性利用者の任意のご協力のもとに実施されているものであることから、実際の運用に際して、駅係員等が誤乗車された方に対して呼びかけ、ご協力をお願いすることはあると考えます。

しかしながら、強制的に降車させるような行為は不適切と判断されることから、そのような事実があれば指導して参りたい。


TXや警察に電話で抗議や問い合わせを行った後に実施された非協力乗車会の結果は?

続く