2012年2月 関西本部:JR線 非協力乗車会と京阪枚方市訪問の報告

当会関西本部では、2012年2月18日に、JR東西線・学研都市(片町)線で非協力乗車会を行い、その後、京阪枚方市駅を訪問しました。

この訪問は、昨年の暮れに京阪沿線5市の公明党議員が京阪電鉄に女性専用車の拡大を要求したことを受け、そうした要求に簡単に応じないよう申し入れるために行ったものです。

実施区間:北新地~河内磐船(その後、京阪交野線で枚方市まで移動)

以下、当日参加メンバーからの報告です。


JR東西線・学研都市線で非協力乗車 その後、京阪枚方市駅を訪問

JR東西線・北新地~京橋

今回はJR北新地駅に12時に集合し、12:16発の木津行快速に乗車した。
昼間のため、車内は比較的空いていたが、車内を見渡したところ、私達以外に男性客の姿はない模様。

JR東西線は地下を走る路線だが、京橋駅の手前で地下区間から地上に出て、京橋駅からはJR学研都市線(片町線)になる。

私達の目的地はこの先の河内磐船駅だが、私達は京橋で一旦降り、後続の列車に乗り換えることにした。当会や友好・協力団体等で言う「自由が丘作戦」(※)である。

※自由が丘作戦とは・・・非協力(任意確認)乗車活動中に、一旦途中の駅で降り、後続の列車に乗り換えること。そうすることにより、任意協力であることを少しでも広く周知するための作戦。名称の由来は、関東の東急東横線で乗車活動をしていたメンバーが、途中の自由が丘駅で一旦降りて、後続の列車に乗り換えていたことによる。

女性専用車両は、「専用」という名前がつけられているものの、実際には任意協力にすぎず、男性の乗車を禁止するものではない。

これは国土交通省も認めていることであり、また鉄道事業者も「女性専用車両は強制的なものか?」という問い合わせを受ければ、「任意で協力をお願いしているものであり、法的強制力はありません」と回答してくる。

中には、任意かどうか答えず話をそらそうとする鉄道事業者もあるが、そういう鉄道事業者もまず通常、「強制的なもの」とは言わない。いや、正確には言えないのである。

女性専用車両は、もし本当に強制してしまえば、法に触れる可能性のある、「法的にグレーゾーンの存在」なわけだが、鉄道事業者はこれを建前上、「任意協力」ということにして、法に触れないようにしているのだ。

そして、実際には強制力のないものに、「女性専用車両」という、強制的なものと思わせるような名前を付け、さらに「本当は任意協力に過ぎないこと」を利用客に知らせず、半ば利用客を騙した形で女性専用車両を運行し続けているわけである。

つまり、「女性専用車両」という名称自体、実は虚偽なのだ。

私達はこうした鉄道事業者のウソをまかり通らせないため、「女性専用車両は任意協力に過ぎない」ということを周知するべく、乗車活動を行なっているのである。

そして、途中の駅で一旦降りて後続の列車に乗り換え、少しでも多く周知を行えるよう行なっているのがこの「自由が丘作戦」なのである。

京橋~河内磐船

私達は京橋駅で後続の列車を待つために、女性専用車両の乗車位置に並んだが、周りの女性客は特に何も言って来なかった。

やがて京橋駅のホームには12:31発、普通松井山手行きが入ってきた。

車内は立ち客が結構いるものの、混雑とまではいかない状態であった。

車内を見わたしたところ、私達のほかに男性客が一人。

しかし、この男性客、「女性専用車両が任意協力だから乗っている」とかいった感じではなく、どうやら女性専用車両と知らずに迷い込んできたような雰囲気であった。

同じJR西日本線でも、路線や時間帯によっては、かなりの数の男性客が乗車していることもあるのだが、この日の乗車会では私達以外に女性専用車両に乗車していた男性客はこの一人だけで、他には確認できなかった。

途中、四條畷駅で後続の快速列車との接続があったが、私達は快速には乗り換えず、そのまま普通列車で河内磐船駅まで乗車。

私達の乗った列車は、元々それほど混雑はしていなかったものの、四條畷駅を出た時点ではもう完全にガラガラ。

私達以外の乗客は、数人ほどという状態で、いつものことながら、「なぜこんな状態で女性専用車を設定しているのか」と言いたくなってくる。

「昼間や休日もラッシュ時と同じように痴漢が発生している」として、女性専用車を完全終日化したJR西日本だが、これでは「痴漢対策などただの建前」と言われても仕方がないだろう。

列車は河内磐船駅に到着。私達はここで下車した。

結局、今回は乗務員や女性客からの声かけは無かった。

河内磐船駅

京阪交野線で枚方市駅へ

河内磐船駅を降りた私達は、そこから約200m離れた京阪交野線・河内森駅まで歩き、そこから交野線の電車で枚方市駅を目指した。

JR河内磐船から徒歩で京阪・河内森駅へ・・・

京阪電鉄では現在、京阪本線の平日朝の特急のみに女性専用車両が設定されているものの、それ以外には今のところ設定は無し。もちろん交野線にも設定は無い。

しかし、当会の活動報告(11年12月)でも報告したとおり、昨年の暮れに京阪沿線5市(守口・門真・寝屋川・枚方・交野)の公明党議員が京阪電鉄を直接訪問し、女性専用車両の終日化と急行・準急への設定を要求している。

既にご存知の方も多いと思うが、女性専用車両では設定後も痴漢の件数に大きな変化はない。中には逆に増加してしまった路線まである。

一方、数年前にJR埼京線で試験的に設置された車内監視カメラが非常に大きな効果(痴漢件数6割減)を発揮したことが当時、マスコミで報じられた。

つまり、本当に効果的な痴漢対策がしたいなら「監視カメラの設置を・・・」となるところ、実際には今も、「少しでも多く女性専用車両を・・・」の流れが主流である。今回の公明党の動きも、昨年春にJR西日本が女性専用車を完全終日化したのを見て、この機会に「便乗」しようとしたものではないのか?

また、女性専用車両を利用している女性がネット上で「臭いオヤジ共がいないから快適」などと、痴漢対策とは何の関係もない、呆れた発言をしていることも多く、もはや女性専用車両は、「一部の身勝手な女性客の既得権益」と化しているのが実情ではないだろうか。

実際、女性専用車両に賛成している女性の7割以上が「臭いオヤジがいないからいい」・「空いているから楽」・「男性の目がないので車内で化粧や食事ができる」といった理由で賛成しているというアンケート結果も報告されている。

さらに、(京阪では今のところ行なっていないと思われるが)、関東や関西の一部の鉄道事業者は、女性向け広告を女性専用車両限定で募集し、他の車両よりも割高な広告料を取って、利益を上げていたりする。

そして、先にも述べた通り、そんなものを一部の政党・政治家などが「痴漢対策」を名目にして鉄道事業者に圧力をかけ、推進しているというのが現実なのだ。

一方、私達は、「痴漢対策などどうでも良い」と言っているわけではなく、「埼京線で痴漢6割減」という実績が証明され、また公共の場での差別にも当たらない車内監視カメラの設置を提案しているのである。

「女性専用車両に反対する奴は痴漢被害者の気持ちが分かっていない」などと言う人が世間にはいるが、そういう人には、「女性専用車両が本当に痴漢対策のために設置・推進されているものなのか」を、もう一度よく考えていただきたいものである。

京阪枚方市駅の事務室に申し入れ

私たちを乗せた交野線の電車は、大阪郊外の住宅地の中を進み、やがて枚方市駅に到着。私達は早速、駅の事務室に向かった。

京阪枚方市駅事務室へ・・・

私達が事務室に入り、「女性専用車両のことで、お話があるのですが」というと、対応したのは助役と思われるM氏(名札の文字が小さく、役職が十分確認できなかった)。
M氏は「しばらくお待ちください」と言って事務室の奥に一旦引き下がって、しばらくしてからまた戻ってきた(電話で本社に指示を仰いでいたのだろうか?)

M氏が戻ってきたので、私達は各自思うところを述べて行った。

大体どのようなことを言ったか、まとめると、

●女性専用車両は痴漢対策と言われているが、実際には政治目的に利用されたり、広告料収入源に利用されたりするなど、痴漢対策からは外れていると言わざるを得ない。

また女性専用車両は、「同じ運賃を支払えば、だれでも公平に利用できる」という、公共交通の大原則に真っ向から反するものである。そんなものをさらに拡大するなど言語道断である。

●JR埼京線で設置された車内監視カメラが「痴漢件数6割減」という大きな効果を発揮した一方、女性専用車両では痴漢件数に大きな変化がない。

本当に痴漢対策を真剣に考えるなら、痴漢件数が減らない上に、公共の場での不当な差別になる女性専用車両ではなく、監視カメラにするべきである。

●「臭いオヤジがいなくて良い」などの、痴漢対策とは関係のない理由で女性専用車両を支持し、利用している女性客が少なくない。

また、「男性=痴漢」ではないのに、全ての男性を最初から排除するのはおかしい。

●高齢者や障害のある男性より、健常者の女性が優先されている。

実際に、健常者の女性客や駅員・警備員などが、高齢者や障害のある男性を排除したり、移動させたりするケースが後を絶たない。

●女性専用車両は、「男=悪」と、子供に刷り込んでしまう可能性が考えられ、子供の教育上もよくない。今では女性専用車両が出てきて10年くらい経ち、「生まれた時から女性専用車両があって当たり前」という世代がすでに小学生になっている。

など・・・

M氏はほぼ、私たちの言うことを聞く役に回っていた。

M氏に「昨年の暮れに、沿線の公明党議員が京阪電鉄に女性専用車両の拡大を要求したことをご存知か?」と尋ねたところ、「そのようなことがあったということは聞いています」との答えであった。

最後に、私達が申し入れたことを本社に伝えるようM氏にお願いし、「お忙しいところ対応いただき、ありがとうございました」と礼を述べて、駅事務室を後にした。

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