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札幌市交通局訪問の報告

2013年7月16日、当会の関西本部の会員1名が札幌に出向き、札幌地区の会員と共に札幌市交通局を訪問し、女性専用車両(女性と子どもの安心車両)について約30分あまりに渡り、交通局の担当者と意見を交わしました。
以下、その報告です。


札幌市交通局で担当者と意見交換

札幌市交通局へ

私達は札幌市営地下鉄すすきの駅の改札前で待ち合わせることにした。交通局を訪問し、私達の意見や考えなどを伝えるためである。
交通局には事前に札幌の会員H氏が連絡を入れており、午後4時(16時)から対応していただくということですでに話をつけてある。

しばらくして参加予定のメンバーが集まると、私達は一旦地上に出て、近くの喫茶店に入り、交通局でどのようなことを話すかなど、軽く打ち合わせを行った。札幌市交通局の本局は地下鉄東西線の大谷地駅の上(地上)にあり、札幌の中心部からはやや距離があるのだが、私達は地下鉄ですすきのから大谷地に向かうことにした。

すすきのから南北線で一駅、大通駅で降りて東西線に乗り換え、今度は東西線の電車で10数分。私達を乗せた電車は大谷地駅に到着した。少し余裕をもってやってきたので、16時までまだ少々時間がある。


札幌市交通局(左)と、大谷地駅ホーム・駅標

交通局の担当者と面談

16時になったので、H氏が改めて携帯から交通局に電話。私達は交通局の建物へと入った。
エレベーターを昇り、交通局の部署のあるところまで行くと、交通局の職員が来られ、私達を会議室のようなところに案内してくださった。

「ここでしばらくお待ち下さい」とのことだったので、椅子に座って待っていると、しばらくしてやってきたのが、交通局高速電車部のS氏とH氏(当然だが、当会会員のH氏とは別人)の2人。

互いに挨拶を交わした後、早速、意見交換を行うこととなった。

以下、「会員」と表記しているのは、当会の会員達の発言。
「交通局」と表記しているのが、交通局のS氏及びH氏の発言である。


女性と子供の安心車両という名称について

会員:「女性と子どもの安心車両」という名前について、どうやって決めたのでしょうか。その意図や経緯は?

交通局:名前の経緯ですが、あの車両を始めるに当たり市民アンケート調査しました。その際、導入に肯定的な意見として多かった、「女性や子供が安心して乗車できるから」を参考にしました。女性だけではなく、お子様・体の不自由な人もご利用いただくという趣旨でやっているというのを分かって頂くためというのもあります。

会員:札幌市さんには悪気はないと思うのですが、この名前だと、取りようによっては「男性がいるから安心できない」という風にも取れてしまうと思うんです。実際には悪い人はほんの一部だと思いますし、またそれが男性とは限らないのですが、この名前だと特に小さな子供に、「男性=悪」という印象を与えてしまう恐れがあるのではないかと・・・ 実態は男性乗車禁止ではなく、ルール上は誰でも乗れるということで、簡単には変えられないかもしれませんが、「女性優先車両」というような名前には出来ないものなんでしょうか?

交通局:女性優先車両・・・その心は?
「男性がいると不安心だ」という誤解の無いようにということでしょうか?

会員:そうですね。「女性と子どもの安心車両」という名前がついていると、「男性がいないから安心」という誤解をされる可能性があると思います。

会員:他にも、お年寄りの男性が乗りにくい。他のところ(他地域)でもお年寄りの男性が女性専用車両に乗って非常にいやな思いをしたという話は聞いています。お年寄りの男性とかも抵抗なく乗れるようにして頂きたいと・・・それでほかに良い名称はないものかと。

交通局:誤解の無いようにということなんですけども、ある程度短くする必要もあります。「女性と子どもとお年寄りと・・・」みたいにあまり長くなってしまってもかえって分かりづらくなってしまうというのもありますし。なかなか難しいんですけども、ずっと検討を続けていかなければならない課題だなぁ・・・とは思っています。

交通局:ご理解いただいている通り、札幌市としては「男性が乗るから安心できない」ではなくて、乗車にすごく不安のある方が安心して乗って頂くための車両ということで、そういう名前にしておりまして、伝え方としては、「女性優先車両」にしても、お年寄りが乗れる・子供が乗れるというPRは必要になると思います。結局伝え方で工夫をしていかなければならないだろうなと・・・ ご存じのとおり、(ポスターのコピーを出して)このような形で出してまして、こういう方が乗れますよということで、何とかわかって頂けるようにということで・・・

会員:例えば、いつも車掌さんが「前から4両目は安心車両」と案内するときに、「男性のお年寄りも乗れる」という案内をしたらどうでしょうか? そうすればわかって頂けるのでは?あと、任意周知についてですけど、もう一つポスターがありますよね。「男性のご協力で運行しています」って書いてあるやつですけど、私的にはもっと大き目に書いて、任意協力であることを広めてほしいと思います。任意で運行しているわけなんで。あと、さっきのお年寄りが乗れるというのも。

交通局:スペースの都合があるもので・・・私たちも工夫はするんですけど。

会員:ポスターでは限界があると思う。一番いいのは出発の際に車掌さんが(任意協力の)アナウンスをすることでは?

交通局:今、南北線も東西線もワンマン運転化してまして、運転士一人しかいない状態で、折り返し運転の際のアナウンスもだんだんできる余裕が少なくなってきていて、項目を絞りつつやっているという中ではあるんですが、今頂きました意見は参考にさせて頂いて・・・

会員:あと、もし車掌さんが無理なら、朝でしたら駅員がそういう放送していると思うので、任意協力ということと、(男性の)お年寄りも乗車できるということを広めて頂きたいです。


専用車両(安心車両)があることで生ずる誤解について

会員:あと、札幌市さんでは「男性のご協力により運行しています」とポスターにも表記してくださっていますけども、それでもこういう車両があると、えてして「男性が悪いからこういう車両を作らざるを得なくなったんだ」という誤解をする人が出てくるという現状があります。まあ、これは札幌市に限らず、他地域でもそうなんですが、そういう誤解が出ないような配慮はして頂きたいと思っております。なかなか難しいことかとは思うんですけども・・・

会員:よくネット上でもあるんですよ。「男が悪いからこういう車両を作らざるをえなくなったのに、文句を言うのはおかしい」みたいな意見が。

交通局:それもおかしな話ですね。

会員:はい。結局、(障害者男性等も含めた)弱者保護というより、「男が悪いせいでこうなった」という風に誤解している人がいるわけです。

会員:あと、女性の特権みたいに勘違いしている人もいるんですね。 特に関東で顕著なんですが、女性専用車内に男性が一人でもいると、ものすごい眼で睨みつけて来たり、場合によっては突き飛ばしたりという事例も発生しているようです。ですので、こういう車両が「女性の特権ではない」・「男性が悪いからではない」というのをもっと何とかわかるようにはできないかと・・・

交通局:特権意識を持っている方(交通局に苦情してくる女性客)については、我々の取り組みが、男性の方の任意協力に基づくものだという説明はさせてもらっています。やはり、そういう取り組みを通じて分かって頂くしかないのかな・・・と。 あと、先ほどの「男性が悪いから」という誤解の払拭というのは、まあ、なかなか我々の持ちうるツールの中では簡単な問題ではないのかなとは思いますが・・・


監視カメラに切り替えられないか?

会員:公共交通機関でこういうこと(専用車両)をするのは最後の手段であって、可能な限り他の方法で、何とか全てのお客様が安心できる方法はないか、と検討していただきたいと思っているんですが、その一つとして、関東の一部の鉄道事業者が行っている監視カメラはいかがでしょうか?それなら、少なくとも、「男が悪い」という誤解が生じたり、そこから差別につながったりということにはならないと思います。また痴漢対策という点では、痴漢が多いことで有名な関東のJR埼京線で、監視カメラによって痴漢が6割も減ったんですが、それはご存知でしたか?

交通局:すみません、その情報はありませんでした。

会員:ちなみに女性専用車両だとJR東日本の場合、痴漢の件数が減っていません(※1)。監視カメラなら痴漢件数減が期待できるだけでなく、女性専用車両と違って、「男が悪いからこうなった」という誤解が生じたり、特権意識を持つ女性が出てくることもないですし。
※1 日本経済新聞NIKKEIプラスワン(2006年5月20日)12面のコラム「女性専用車両の怪」の中に、「痴漢発生件数は減っていません」というJR東日本お客様サービス室の担当者のコメントが記事として掲載されている。

交通局:監視カメラの設置について、全く検討しなかったということではないんですけども、費用的な面とか、そういった面でハードルが高いというのはあるんですが、全車両に監視カメラを設置するというのは・・・

会員:それはちょっと難しいですね。でも埼京線は10両編成のうち1両だけなんですよ。

交通局:あー、はい。

会員:私達としましては、やはり公共交通機関ですから、同じ運賃を払っているのに乗車できる車両数が性別によって違うというのは、可能な限り避けていただきたいというのはあります。一応、任意協力ということにはなっていますが・・・

交通局:必ず約束するというのは難しいですけれども、ご意見として参考にはさせていただきたいと思います。


本当に始発から全区間で必要?

会員:設定時間帯なんですけども、始発から設定されていますが、それはどういう理由からでしょうか?

交通局:ひとつには時間の途中で切ってしまうと、乗車しているお客様に対して周知が困難であるというのがございます。もちろん「任意」ですので降りてくださいというわけではないですが、運行中の全列車で途中から、「こういう車両ですよ」というご案内をしなければならないというのは人手もかかりますし、逆にお客様にご迷惑をかけてしまうかもしれないということで、札幌市では始発から午前9時までという形で運行しています。

会員:走行中の列車に途中駅から設定するのではなく、始発駅基準で一番混雑する時間帯に限定して、例えば南北線だと真駒内駅○時○分発から×時×分発の列車まで設定とか、そういうことは出来ないのですか?始発電車は恐らくガラガラだと思うのですが・・・

交通局:ラッシュ時間帯ほど当然混んでないですね。

会員:私、東西線(札幌市営地下鉄東西線)利用なんですけど、朝の7時半から8時半くらいが一番混雑する時間帯だと思いますね。宮の沢駅を○時○分に発車する列車から×時×分発まで設定とか・・・他のところ(他社)では、そういう設定をしているところはあるんですが、それなら出来るんじゃないかなという感じはするんですけど。

交通局:まあ時間帯の区切り方は、始める時に検討事項のひとつでは当然あったんですけど、始発駅の時点で変更するにしても、ご案内をしなければならないというのは恐らく変わらないというのはありまして、うーん・・・まあ、現状でそうですね、変更はちょっと難しいのかなとは思いますね。

会員:あと、区間なんですけども、南北線も東西線も全線でやってるんですけども、東西線の新さっぽろ方面でしたら、大通(駅)過ぎてからは混雑もそれほどしないし、逆方面もやはり大通(駅)過ぎれば混雑はそんなにしていない。南北線でもさっぽろ(駅)過ぎれば麻生方面はそんなに混雑していないし、真駒内方面も大通(駅)過ぎればやはりそうなんですよね。
なので区間を減らすというか、そこで切ることは出来ないのかと・・・
他のところでも、例えば東京の京王線とかでも調布で切ったりしている(※2)ので、札幌でもこういうことはできないのかなと前から思っているんですが、そこら辺はどうなんですか。
※2 京王線:調布で切っているのは下りのみ

交通局:うーん・・・テクニック的に全くできないかというと、そうでもないのかも知れないです。

交通局:時間にしても区間にしても、やろうと思えば出来ないことは無いと思うんですけども、実行するに当たって何が必要かというと、お客様への周知ですね。
それは乗務する運転士のアナウンスや駅のホームでのアナウンスも含め、ご利用いただいているお客様にも、区間が変わった・時間帯が変わったというのを再認識していただく必要があるわけです。
例えば宮の沢駅発7時31分新さっぽろ行きから始まりだとすれば、宮の沢始発で乗務員も多少アナウンスする時間が出来るかもしれない。ただそれが各駅停車で次に「この電車は・・・」という事をしなければならないと思うんです。そうなると、ハード面(駅の掲示類)については可能かもしれませんが、ソフト面での周知方法というのは、またハードルが上がってしまうと思うんですね。利用する方もそうですし、周知するこちら側もそうですし。
・・・ですので、全く出来ないことは無いんですけども、多分非常にハードルが上がってしまうので、一旦はご意見として今後の参考にさせていただきたいと思います。


会員:今のところ、区間や時間帯の縮小も拡大も全く考えていないということですか?

交通局:夕方もやってくれとか、終日やってくれという意見を頂くこともございますが、現段階では時間帯や区間を変更する予定というのは無いです。

会員:私達からは、女性専用車両(安心車両)は縮小か廃止していただいて、可能な限り監視カメラ等に切り替えていただくよう、お願いしておきたいと思います。


交通局訪問を終えて

・・・・上記のような感じで、約30分あまりに渡って対談を行い、最後に私達から、「お忙しいところ、ご対応頂きありがとうございました」と交通局の担当者に礼を述べて、交通局を後にした。

交通局を後にした私達は、地下鉄ですすきのまで戻ることにした。このあと、すすきので2次会を行う予定にしているからだ。
大谷地駅の改札内に入り、階段でホームに降りると、ちょうど降りたところが専用車両(安心車両)の位置だった。もっとも、札幌は平日の朝だけなので、この時間帯(夕方)は関係ないが。

すすきのの居酒屋で行われた2次会には、仕事で交通局訪問に参加できなかった札幌の会員も来てさらに人数が増え、飲食しながらいろいろな話で盛り上がった。もちろん、交通局でのやり取りについても報告した。

すでにご存知の方も多いかと思うが、女性専用車両は痴漢対策・防犯対策と言いつつ、実際には政治的な力で進められてきた経緯がある。札幌もその例外ではないのだが、やはりそうした車両を廃止・縮小に持っていくには、もっと声を大きくしなければならないだろう。
世間がこの車両のことを痴漢対策と思っているうちは私達の活動や取り組みもなかなか理解されにくいとは思うが、もちろん私達は痴漢対策も含め、「防犯対策」や「利用客が安心して利用できる環境づくり」をするなと言っているわけではない。

しかしながら、現実にはおよそ防犯対策と思えないようなものが、世間では「防犯対策」・「痴漢対策」でまかり通っているのである。そして、ひとたびそのようなものがまかり通ると、今度は「他もやっているから・・・」とばかりに、およそ必要性のないようなところにまで次々と、防犯対策とはいえないような「女性専用」が作られていく。

女性専用車両だけではなく、今の世の中のこうした風潮に疑問や不満をお持ちの方も少なくないのではないだろうか?
札幌の方はもちろん、それ以外の地域の方も、そうした疑問や不満をお持ちであれば、当会に入会していただければ幸いである。


女性専用車両に反対する会では、新規入会者を随時募集しています。
当会は男女を問わず、さまざまな年齢や立場の会員が在籍しています。札幌の皆様(もちろんそれ以外の地域の方も含めて)女性専用車両について疑問に思っておられる方、不満に思っておられる方、ぜひ当会にお越し下さい。

入会申込フォームよりお待ちしております。

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