2017年9月 関西本部:JR宝塚(福知山)線とJR東西線 非協力乗車会

当会関西本部では、JR宝塚線(福知山線)と東西線で非協力乗車会を実施いたしました。

これまでJR宝塚線では乗車が普通列車中心になっていたため、今回は快速での乗車を…と考えて、大阪発の快速で7両の列車を調べた上で乗車しました。

以下その報告です。

[乗車列車・区間]

◎大阪18:24(快速・篠山口行き)→宝塚

◎宝塚19:08(快速・木津行き)→北新地


JR西日本の女性偏重主義

宝塚駅では、女性専用車両のど真ん前にエスカレーターを新設

(往路)大阪~宝塚

JR大阪駅から女性専用車のある、18:24発篠山口行快速に乗車。

もともと、この時間帯の大阪発の快速はほとんどが8両編成である中での7両列車(しかも篠山口行き)であるため、車内はかなり混雑していた。

女性専用車以外の車両が8両から6両になってしまっている(8両編成の223系には女性専用車がないが、7両編成の321系には女性専用車がある)わけで、女性専用車以外の混雑はもっと激しかったと思われる。

途中、乗客の入れ替わりはあるものの、乗車率は下がらないまま、尼崎・伊丹・川西池田と過ぎ、結局、混雑率は変わらないままで、宝塚に到着。私達は予定通り宝塚で下車した。

・・・が、女性専用車を降りたすぐ目の前に、いつの間にか新しい新品ピカピカのエスカレーターが追加設置されているではないか!

JR宝塚駅。
新しい橋上駅舎の完成に伴って、新設されたエスカレーターが、女性専用車両のちょうど目の前。

今回の乗車会でも、快速停車駅では、ことごとく女性専用車が階段・エレベーターの最寄り位置だったことが気になったが、この宝塚駅に至っては、新築の橋上駅舎のエスカレーターをわざわざ女性専用車の最寄りとなるように設置していたのである。

他社でも、女性専用車両が「偶然」一番便利な位置に来ることはあるが、JR西日本の場合は高架化や駅の大幅改造などで階段やエスカレーターなどの位置が変わった場合など、できるだけ女性専用車が一番便利な位置に来るよう、意図的にやっているようなフシがある。

というのも、(これは、過去に何度も触れているのだが、過去の活動報告やその他のページを全部遡って見る人はあまりいないと思われるので、今回もまた触れておく)、2004年に阪和線と関西線(大和路線)に女性専用車を新設した際、それを告知するパンフレットに「天王寺駅での乗り換えに便利なよう、前から●両目に設置しました」などと、女性専用車を利用する女性客の利便を図るため、わざわざ主要駅の階段に一番近い位置に女性専用車を設置したことを堂々と記載したり、さらには「他線区に比べて女性専用車の設置率が低くなりますが、ご了承下さい」(※当時、平日朝夕のみの設定で、かつ列車の車種によって女性専用車の設定がない場合があるため)などと、「女性専用車が少なくて申し訳ございません」と言わんばかりの文言を記載していたこともあった。

まず、女性専用車を、「乗り換えに便利なよう」、主要駅の階段のそばに設置していると公言している時点で明らかに、やむを得ない痴漢対策ではなく、「男性客の存在を完全に無視した、ただの女性優遇サービス」であることが分かる。

また、女性専用車の設置について、詫びを入れるなら本来、同じ運賃を支払いながら乗る車両を制限されている男性客(実際には、「制限していないことにする」ため建前上、任意協力だが・・・)に対して行うべきものだろう。

しかし、JR西日本はこれまた「男性客の存在は完全無視」で、女性客に「女性専用車が少なくて申し訳ございません」と言わんばかりの態度を取っているのである。

まさに筋金入りの「女性偏重主義」といえよう。

そして、その姿勢は現在も基本的に変わっていない。

JR西日本はその後、女性専用車を混雑のない昼間や土曜休日も含めて、毎日・完全終日に拡大したし、今でも駅構内などに「毎日終日運行しているからいつでも乗れる」・「行きも帰りも女性専用車、もう私の習慣です」(下の写真)などと、女性専用車を明らかに女性ウケ狙いサービスとして宣伝するポスターも健在である。

JR西日本の女性専用車は痴漢対策ではない

つまり、痴漢云々ではなく、明らかに女性を優遇することによって、利益につなげようとしているのである。

しかもそれで、当のJR西日本の社員による痴漢や盗撮が後を絶たないのだから、お話にならない。

JR西日本は痴漢被害者のことを思って、女性専用車を運行しているわけではないのだ。

JR西日本が女性偏重主義と言っても、「女性を尊重している」という意味ではない。

「女性を優遇すれば儲かるだろう」という下心から、どこまでも男性を蔑ろにしているという意味である。

結局のところ、JR西日本は「女性専用車は金になる」という考えのもと、女性専用車を運行し、健常者の男性はもちろん、移動の困難な障がい者や足腰の弱った高齢者の男性まで、そうやって一番便利な場所から事実上排除していると考えられるのである。

障がい者については、一応男性も単独で乗れることになっているが、それを告知する案内は非常に少なく、また小さく目立たない。

駅構内や車内・車体にやたらと目立つように「女性専用車」の表示を出しまくっているのとは対照的である。

つまり、「移動に困難の伴う、男性の障がい者よりも女性の健常者を優先するのか?」とクレームをつけられても「障がい者は男性も乗れますので問題ありません」と、うまくかわせるよう、建前上「男性の障がい者は単独で乗れる」ことにしているだけで、実際は障がい者であっても、出来るだけ男性は乗せないようにしているのである。

こういうところにもJR西日本の「女性偏重主義」が見て取れる。

もちろん、女性専用車問題の本質は「公共の場における、属性による差別」であるから、仮にJR西日本が女性専用車を営利目的に利用するのをやめ、さらに駅構内や車内に「男性障がい者は乗れる」と大書き(実際には誰でも乗れるが・・・)し、女性専用車を一番不便な場所に持っていったとしても「それで問題ない」ということにはならないが・・・

女性専用車が本当に痴漢対策だったとしても、男性を「性別」という、「生まれつきの属性」で一律に排除するようなやり方は取るべきではない。

ましてやこのような、およそ痴漢対策とは言えないような理由で、同じ運賃を支払って公共交通機関である鉄道を利用する男性客を(それも高齢者や障がい者でさえも)男性であるというだけで、特定の車両から事実上排除するなど、言語道断である。

だから、女性専用車を疑問に思う人は遠慮することなく、「女性専用車両は男性差別だ!」と言えば良いのである。

「痴漢対策」という表向きの理由に惑わされる必要はない。

(複路)宝塚~北新地

宝塚で一旦改札を出て、しばらく休憩を入れた。

JR宝塚駅から駅前ロータリーを挟んで向かい側は、阪急の宝塚駅である。

早くから女性専用車が導入され、現在では終日実施されているJR宝塚線(福知山線)に対し、阪急宝塚線は長らく女性専用車がなかったが、数年前から阪急も女性専用車両に急に熱心になり、2015年に宝塚線に導入した際、(これも、過去何度も当サイトで触れているが)、阪急自身のHPで女性専用車両のことを「人にやさしい、魅力ある鉄道サービスを実現するためのサービス向上策の一環」などと記載していた。

女性専用車両が痴漢対策のためのやむを得ない措置ではなく、「サービス」であることを堂々と公言していたのである。

女性専用車が「人にやさしい」というのなら、男性にどうやさしいのか?(女性専用車に痴漢冤罪を減らす効果もあるというのは、大ウソである)
阪急は「人にやさしい」と言いつつ、実は女性しか人として認めていないと言われても仕方がない。

JR西日本にしても、阪急にしても、女性専用車に熱心な鉄道事業者は女性専用車を痴漢対策ではなく、「サービス向上策」と考えているようだ。

そして、そのことで男性客が(特に高齢者や障がい者が)どれだけ不利益を被ったとしても、それらは一切、サービスダウンとは認識されないのである。

JR西日本も阪急も極限の「女性偏重主義」であるといえよう。

私達は痴漢対策に反対しているのではない。

痴漢対策そのものについては大賛成だし、また当会としても、埼京線で痴漢件数6割減の実績のある監視カメラをはじめ、様々な痴漢対策を提唱している。

しかし、痴漢被害をやたらと強調する女性専用車賛成派ほど、「痴漢の減らない女性専用車」に大賛成しながら、監視カメラなどの案には(過去の実績は無視で)猛然と反対してくることが多い。

要するに痴漢を減らしたいのではなく、女性専用車を守りたいために痴漢やその被害者の存在をダシに使っているだけなのだ。

当会は「痴漢対策とは名ばかりで、男性への不当な差別に当たる女性専用車両」に反対しているのである。

しばらくの休憩のあと、私達は再びJR宝塚駅のホームに戻り、今度は宝塚始発のJR東西線直通の快速に乗車した。

車内はラッシュと逆方向になるためか、往路とうって変わって空いており、空席が目立つ。

しばらくして、ガラガラのまま列車は宝塚を発車した。

その後も乗客は多くなく、川西池田を過ぎて、伊丹発車の段階で少し立ち客が出た程度。

猪名寺・塚口を通過して、列車は尼崎に到着。

ここで大阪に向かう乗客は降りたが、JR神戸線の普通・快速、後続の快速・大阪行きからの乗り換え客を受けたため、先ほどより乗客数は増えた。

その後も、声かけは一切なく、加島・御幣島・海老江と過ぎ、やがて乗車会の終了予定地である北新地に到着。

北新地駅も長いエスカレーターの最寄り車両が女性専用車だが、それもJR西日本が(女性専用車を)痴漢対策・迷惑行為防止と言えば、世間は納得してしまうのかもしれない。

女性専用車は男性を男性であるというだけで公共の場から一律排除する代物であり、また建前上、「痴漢対策」ということになっているため、「男性=悪」という偏見を社会に植え付けてしまう。

しかも、そんなものが実際には痴漢対策ではなく、営利目的で行われているのだから、もはや論外である。

今回、女性客やJR職員などからの声掛けが全くなかったのは良かったが、私達以外の男性の乗車が少なかったのは少々残念ではあった。

今後もさらに根気良く活動していくことを確かめあって、私達は北新地駅で解散した。

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