2018年8月 関西本部:阪急京都線 非協力乗車会

「差別ネットワーク」埼玉支部長のレノン氏が関西に来られ、差別ネットワーク主催で、関西で乗車会を行うこととなったため、当会からもメンバーが多数参加しました。

以下、その報告です。


「差別ネットワーク」埼玉支部長、大阪に参上!

阪急京都線に多人数で乗車

阪急梅田で再会

今回は18時に阪急梅田に集合。

今回の乗車会は、当会の友好協力団体である「差別ネットワーク」主催であるが、普段関東で活動されている差別ネットワークの埼玉支部長、レノン氏が大阪に来られるということで、当会からも多数の参加者があったため、当会サイトでも活動報告として紹介することにする。

待ち合わせ場所に当会のメンバーが1人、また1人とやってきて徐々に集まりつつある中、法被姿のレノン氏と、差別ネットワーク大阪支部長のクラウディー氏が現れ、その場は一気に盛り上がった。

レノン氏と初対面のメンバーはその場であいさつを交わし、また久しぶりの再会を喜ぶメンバーはレノン氏と早速、活動の話で盛り上がっていた。

聞けば、この集合場所に来る前、レノン氏とクラウディ氏の二人でJR大阪環状線や学研都市線・おおさか東線・大和路線などで非協力(任意確認)乗車をしてきたとのこと。

こちらの詳細は、差別ネットワーク大阪支部のブログを参照してほしい。

(差別ネットワーク大阪支部)
https://blogs.yahoo.co.jp/cloudy_sky9999/56181543.html(現在はリンク切れ)

阪急梅田~河原町(往路)

やがて、集合時刻を過ぎたので、18:20発の通勤特急、京都・河原町行に乗車するため、改札口を抜けてホームへ。

夕方ラッシュ時間帯ということもあり、ホームには多数の人が列車を待っていた。

阪急梅田駅ホーム

阪急では、梅田で停車中に乗務員が声をかけてくることが多い(終着駅のため、車掌と運転士がそれぞれ列車の先頭と最後尾に移動する)ため、まずは人数が多いことを分かるようにしようと全員固まって乗車位置に並んだ。

男性多人数で女性専用車両位置に並んだが、周囲の女性客は何も言ってこなかった。それで良いのだ。

やがて列車が到着し、ドアが開いたので、私達は一斉に乗りこんだ。

阪急の京都線の特急はクロスシート(特急列車などによくある、向かい合わせで座る座席)の9300系で運行されることが多い・・・というか、クロスシート車以外の特急は女性専用車両設定対象外である。

筆者は他のメンバーとともに4人掛けのクロスシート1ボックスを男性のみで埋め、さらに通路を挟んで隣のボックスも、当会メンバーやレノン氏が着席。

近くの女性客が「女性専用車・・・」と言ってきたが、相手にすると、そこからトラブルに発展する場合があるのであえて無視。

無視してもまだ何か言ってくるようなら、仕方がないので対応するが、この女性客はそれ以上何も言ってこなかったので、それ以上のことにはならなかった。

ここまでお読みいただいた方ならお分かりいただけると思うが、私達はあくまでも任意確認(「女性専用車両は任意」といいつつ、事実上強制させない)のために、敢えて乗車しているのであって、トラブルを起こしたり、女性客に抗議したりするのが目的ではない。

ネット上では、私達がトラブルを起こすために乗車しているかのように言ったり、さらには私達が女性客への抗議目的で乗りこんでいると誤解した上で「女性専用車両に文句があるんだったら、鉄道会社に文句を言うのが筋なのに、なぜ女性客に抗議するのか? 女性が憎くてやっているとしか思えない」 などという、頓珍漢な発言をする者も見られるが、これらは全てデタラメである。

私達が女性客と口論したりするのは、女性客のほうから(非協力乗車している)私達に抗議してくるからであって、私達が女性客に抗議しているのではない。

このくらい、ちょっと考えれば分かりそうなものだが・・・
私達が問題にしているのは鉄道会社や、女性専用車両を推進しようとする一部の政治家などであって、乗り合わせた女性客には用はない。

また、もちろんだが私達は女性が憎いわけではない。

反対派が女性に対する恨みから活動しているかのようにレッテル貼りしようとする者が一部にいるようだが、なぜ当会が【女性も含めて会員募集している】のか、よく考えてみれば良いのである。

列車の中は、押し合いへし合いにはなっていないものの、平日の夕方ラッシュ時のためか、結構立ち客が多く、梅田駅停車中に乗務員が車内を通り抜けて移動してくることはなかった。

しばらくして、列車は梅田駅を発車。

18:20過ぎだが、夏なので、あたりはまだ明るい。

ここで、車内アナウンスが入った、

「この車両の前から5両目は女性専用車両です。車内ではマナーを守り、快適な車内環境作りにご協力お願い申し上げます・・・」

阪急ではいつものことだが、女性専用車両の案内の直後にマナー云々と言って、あたかも「女性専用車両に男性が乗るのはマナー違反」と思いこませようとしているのではないか?

ちなみに、多くの鉄道事業者は、女性専用車両がマナーか否かを問い合わせると、大抵「マナーとは認識していない」という回答をしてくる。

まあ、本社の意向を知らない現場の社員が「女性専用車両はマナーです」などと言ってくることはあるが・・・

大阪のビル街を抜け、列車は中津駅を通過、淀川を渡り、間もなく次の停車駅十三に到着。

ここでも何事もなく発車。

十三発車後にまた専用車両アナウンスが入った。

南方・崇禅寺を通過し、このあたりからは高架工事区間となる。

淡路駅をゆっくりと通過し、直後に来年(2019年)春、開業予定のJRおおさか東線の下をアンダークロスする。

近くには、ほぼ完成したJR淡路駅も見えるが、JR西日本は女性専用車両を開業初日から「毎日・終日運行」するのだろう。

毎日・終日運行以外にも、女性専用車両で女性客を呼び込もうとするような、ポスター・モニターなどでの宣伝や、女性専用車両限定広告で割高な広告料を取り、女性専用車両を金儲けに利用するなど、JR西日本の女性専用車両は、「痴漢対策など、もはやどこ吹く風」である。

女性専用車で女性客を呼び込もうとする、JR西日本の宣伝ポスター

私達が今、乗車している阪急も、京都線では(こちらは平日の特急関係のみだが)終日運行しているし、後から宝塚線や神戸線に追加で導入した際、HP上などで堂々と記載していた「人にやさしい、魅力ある鉄道サービスを実現するためのサービス向上策の一環」という文言からもわかる通り、「女性専用車両を設けると、サービス向上・CS(顧客満足度)向上・企業イメージの向上につながる」と思っているのである。

過去に何度も当サイトで紹介しているが、改めて。
阪急HPより。
――――――――――――――――――――
>当社では、京都本線の平日ダイヤ運行日、特急・通勤特急の2人掛けシートのある車両に「女性専用車両」を設定しておりますが、
「女性専用車両」の導入が、「人にやさしい、魅力ある鉄道サービス」を実現するためのサービス水準向上の一施策であると考え、
このたびの宝塚線のダイヤ改正に合わせて同線に新設する「通勤特急」(10両編成)においても、その最後部(宝塚方)の車両に「女性専用車両」を設定します。

女性専用車両が、痴漢対策のためにやむを得ず設けたものではなく、明らかに「サービス」であると明言しており、こちらももはや「痴漢対策など、どこ吹く風」なのだ。

実際には、同じ運賃を支払って乗車している男性客を、男性であるというだけで排除し(そして建前上、任意協力にして、「差別ではない」と逃げ道を作り)、たとえ高齢者や障がい者であっても、男性は出来るだけ乗せないようにしようとするような、男性客の立場をどこまでも蔑ろにした車両なのだが、当会から「人にやさしいというなら、男性客に女性専用車両がどうやさしいのか?」と尋ねてもまともな回答が返ってきたことは一度もなし。

つまり阪急は、「男性など”人”のうちに入らない」と言っているも同然なのだが、メールや意見書でその点について尋ねても、そこには触れずに反論できそうな他の質問にだけ回答してくる(詳細はこちら)という対応を取ったので、後日、当会が本社を直接訪問して担当者に直接質問をぶつけてみたら、回答できず、黙ってしまった(詳細はこちら)。

これはJRや阪急に限ったことではないが、鉄道事業者は女性客に対する配慮や思いやりで女性専用車両を設けているのではない。

大抵、JRや阪急のように、金儲けや企業イメージの向上(実際は向上になるかどうか怪しいが・・・)など、何らかの「うま味」を期待しているか、あるいは「他がやっているから」という、横並び意識でやっている場合がほとんどである。

「女性専用車両が差別である」という反対派の主張が世間であまり受け入れられないのは、多くの人々が、「鉄道会社が女性のためを思いやって女性専用車両を導入しているのに、それを差別だという、理解のない男がいる」などと思いこんでいるからではないだろうか?

重ねて言うが、女性専用車両は「痴漢対策」でも「思いやり」でもない。

しばらく走って、茨木市・高槻市あたりに差し掛かったが、日は西に傾きながらも、まだ外は明るかった。

このあたりは、今年6月に発生した、「大阪北部地震」で震度6弱を記録し、被害が大きかったところである。

車窓からも、屋根にブルーシートの掛かった住宅が多数見え、地震の影響が大きかったことを物語っていた。

走行中の列車からの車窓風景。
時刻は午後7時近く。

高槻市を過ぎると、次の停車駅は、京都府内に入った長岡天神である。

長岡天神・桂と、徐々に乗客が減っていき、車内は空いてきたが、隣の車両とは明らかに混雑率に違いがあった。

西院の手前で地下に潜り、大宮・烏丸(からすま)と過ぎて、終点の河原町には19:07に到着。

ここで一旦解散し、19:50に、河原町駅の改札口前に再集合することにした。

阪急河原町駅のホーム
改札口

河原町~阪急梅田(復路)

一旦解散して、メンバーは各自、夜の京都の街に散らばっていったが、筆者は他のメンバー3人と共に、計4人で近くの中華料理店に入り、そこでつけ麺を注文した。

夜の京都(河原町)の街
近くの中華料理店でつけ麺を注文

テーブルを囲んで、つけ麺を食しながら、過去の阪急での乗車会の出来事などの話で盛り上がり、「阪急は河原町で声をかけてくることが多い」・「河原町で男性が降りなければ、次は桂で駅員が乗りこんでくる」・「男性がいると、やたらと女性専用車両のアナウンスを流しまくる」などの話をしていたが、気がつけば、そろそろ戻った方が良さそうな時間になっていた。

河原町駅に戻り、そこでしばらく待っていると、今回18時に梅田に来れなかったため、後から追いかけてきたメンバーがやってきて合流。人数がさらに増えた。

他の参加者も戻ってきて、差別ネットワークの2人は、法被姿で京都の町を歩いてきたとのこと。

知名度を少しでも上げるための取り組みで、差別ネットワークではこれを「差別ネット歩行」と呼ぶそうである。

さて、参加者も揃ったところで、私達は改札を抜け、ホームに入った。

ホームを歩いて、女性専用車両位置付近まで行くと、ホームの支柱に、女性専用車両の案内のポスターが貼ってあるのが目に入った。

これを見て、関東からやってきたレノン氏をはじめ、参加メンバー達がその内容を批判した。

「車内における迷惑行為防止・・・??」
迷惑行為はすべて男から女へ行われるのか?
「痴漢防止」から「迷惑行為防止」に文言をすり替えたのなら、当然こういう疑問がわいてくる。
結局「痴漢対策」も「迷惑行為防止」も、「後付けの口実」なのだ。

見てもお分かりの通り、「迷惑行為防止の観点から、安心してご乗車いただけるよう設定している」などと、敢えて「痴漢対策」という言葉を避けているのが分かる。

「痴漢対策」と言ってしまえば、「女性専用車両で痴漢は減ったのか?」・「やむを得ない痴漢対策と言うなら、なぜ終日運行するのか?」・「混雑するであろうラッシュ時より、昼間のほうが女性専用車設定本数が多いのはなぜ?」などと突っ込まれるから、これを「迷惑行為防止」と言い換えて、ごまかしているのである。

実際、阪急に限らず、「女性専用車両で痴漢は減らない」ことや、関西の鉄道事業者に多く見られる「混雑のない昼間や休日にまで終日実施」などの点を突かれ、導入理由を当初の「痴漢対策」から、女性に安心してご乗車いただくため」 などと、後からすり替えて、ごまかした鉄道事業者は少なくない。

「痴漢対策」ではなく、「迷惑行為防止の観点」というなら、なぜその対策が女性専用車両なのか?

「迷惑行為」と言い替えるからには「痴漢以外も含めて、すべての迷惑行為」 ということになるが、ならば、「すべての迷惑行為は、必ず男から女に対して行われる」 とでも言うのか?

もはや女性専用車両の導入理由としては、完全に滅茶苦茶である。

こういうところからも、「痴漢対策」だとか、「迷惑行為防止」とか、「安心して乗車してもらうため」などといった、女性専用車両の導入理由が全て、「後付けの口実」であることが分かる。

阪急の場合、女性専用車両導入の本当の理由は、先にも述べた「人にやさしい、魅力ある鉄道サービスを実現するためのサービス向上策の一環」というHPの文言がすべてを物語っているといえるだろう。

要は単なる女性ウケ狙いなのだ。

そして、痴漢対策を建前にして「女性にウケる(支持される)ことさえやっておけば、男性客の存在など、どこまでも蔑ろにしても大丈夫だろう」という考えも透けて見える。

しかし、実際にはマスコミもそうしたところを(恐らくは、分かっているであろうが)報道せず、「痴漢対策」とか、「性暴力対策」などという前提で報道することがほとんどである。

結局、「女性専用車両が痴漢対策」だと未だに本気で思っているのは、もしかしたら「無知な一般大衆だけ」なのかもしれない。

やがて、20:10発の通勤特急が入線。ドアが開いたので、私達は数ヵ所に分かれて乗車。

筆者は他のメンバー3人とともに、4人でクロスシートのボックス(4人掛け)を男性のみで埋めた。

他のボックスにも当会や差別ネットワークのメンバーが着席し、車内は始発駅から男性が多数乗車した状態に・・・駅員がやってくるかと身構えていたら、最初にやってきたのは清掃員。

以前の乗車会では、清掃員の男性が「ここ女性専用車両ですよ・・・」と言ってきて、私達が移動を拒否したら、次は駅員を連れてきたというようなことがあったので、今回も声をかけてくるかと思いきや、今回の清掃員は、私達のすぐ脇を何も言わずに掃除しながら通り過ぎていった。

その後、乗務員と思しき職員がホームを歩いて通り過ぎていったが、何も言って来ず。

「今回は、いつもと何か違うぞ?」と思いつつ、列車は河原町駅を発車。

しばらく走って、次の烏丸でほぼ座席が埋まった。

西院の先で地上に上がり、西京極を通過して、列車は桂駅に到着。

ホームに駅員が立っているのが見えたので「来るか?」と思いきや、その駅員もホームから動くことはなく、もちろん私達にも声はかけてこなかった。

そのため、桂を出発してからの車内では「阪急も態度を変えてきたか?」という話になった。

すでに当会サイトで過去何度も触れているように、JR西日本は2014年の御幣島での一件で、社員が書類送検されてから、非協力乗車している私達にはあまり声をかけてこなくなった。

一方で、阪急はつい最近まで、非協力乗車する男性にしつこい声掛けを繰り返し、それでも男性が移動しなければ、職員がついて回って乗車し、周囲の女性客に「(男性がいるせいで)ご迷惑をおかけして申し訳ございません・・・」などと謝って回ったりするような、女性専用車両に大変熱心なところを見せていたが、最近、阪急でも何か、JRの御幣島の一件のようなことがあったのだろうか?

そういえば、今年2月の当会の阪急での非協力乗車会の活動報告の中でも少しふれているが、個人で非協力乗車していた個人活動家に対し、阪急が警察を出動させ、警察が改札外までその活動家を追いかけて、職務質問したという事例もあった。

さらには、今回参加した当会メンバーの一人も過去に会の活動とは別に、個人で阪急京都線で非協力乗車している時に、ひと悶着あったと言っていた。

そのメンバーによると、以前、阪急京都線に個人で非協力乗車している際に、女性客が声をかけてきたので、移動を拒否したら女性客が警察に通報し、やってきた鉄道警察が「女性専用車両は強制出来ない」ということを知らず、移動を拒否するメンバーに言葉を荒げた挙句、そのメンバーの体に触れて排除しようとしたとのこと(これは警察の越権行為。暴行及び、公務員職権乱用になる可能性がある)

結局、その場に一緒にいた駅員が、鉄道警察に「電車が遅れますから」・「私が一緒に乗車しますので」といってその場を納め、発車後、車内で「お客様の仰る通り、あくまでお願いです」と言って、その後、法的根拠のないものを鉄道警察が強制しようとしたことについては「申し訳ない」と詫びたとのこと。

そして、そのメンバーは「女性専用車両というステッカーを貼っているからこういうことが起きる。反対意見も本社に伝えてほしい」と伝えたとのこと。

今回、あの男性排除に非常に熱心な阪急が全く声をかけてこなかったのは、そうしたことがあったからだろうか?

もしそうだとすれば、反対派の活動も、少しずつ効果を現してきたということになるが、もう少し様子を見なければ、本当のところはどうなのか、まだ何とも言えない。

列車は十三を出て、中津を通過。

ほどなくして終点の梅田に到着した。

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